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2012年9月24日月曜日

2012年9月7日金曜日

世界が土曜の夜の夢なら ヤンキーと精神分析

斎藤環
角川書店


以下、雑感。
ネットで知って、気になって読んでみた。
新刊本でしかもハードカバーの本を買うのは自分にとっては珍しい。
その期待を裏切らないとても面白い本であった。
個人的には山本七平「日本人とユダヤ人」、阿部謹也「世間とは何か」、猪瀬直樹「ミカドの肖像」と並んで、日本人の思想を理解する上で手がかりになる本だと思った。

日本人に宿る、ヤンキー性。
結局、ヤンキー性という言葉については定義されないのだが、それこそがヤンキー性の特徴であったりもする。
学生時代の何気ない日常の風景、現象においてもヤンキー性を通して考えてみると、「ああ、なるほど」となる。
帯にもあるが、「やんちゃやってるけど、ガチで気合入っててハンパなく筋が通ってる」というのが、ヤンキー性の哲学。
ヤンキー先生とかEXILEとか白須次郎とかはたまた古事記に出てくるスサノヲとかを例にあてはめて分析。

よくある典型話の「昔、悪やってましたが、今は更生してます。世の中はクソッタレだけど、家族とか大切にしてガチで熱くアゲアゲで生きていこーぜ!」にもヤンキー性を見る。

僕は長渕剛が好きなのだが、本書では言及がなかった。
清原も出てこなかった。
斎藤環はどう分析するのだろう。
「アニキ」ってのも一つのヤンキー性のキーワードだと思う。
このことについて文庫化した時とか加筆されていたらいいな。