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2008年2月29日金曜日

空中庭園

角田光代
機微を描くのがうまい
また六人の視点による多角的な現実認識の手法はさりげなく、時に残酷で興味深い
面白かったよー

(追記)
郊外のショッピングセンターが舞台だった。
ちょうど最近、あきる野市の近くにショッピングモールができたので行ってみた。
遠くを見渡せば山ばかり、土地が余ってだだっぴろいっていうだけの郊外。
車で走ってると、ドカンと目に飛び込んできたサティ。
でかでかと屹立する圧倒的なでかさ、
びびった。
スタバが、でかい本屋が、ツタヤが、そしてなんと映画館がこんな田舎に。
駐車場もでかすぎる。
小王国といったところ。
あきる野市役所よりもでかいぞ。
資本主義の怪物だ。


最近、私の実家の近くのコンビニがつぶれてしまいました。
昔からよく行った本屋もよくわからないリサイクルショップになっていました。
駅から実家までの道で通る商店街もさびれています。
私の街に過疎化が迫っているということでしょうか。

2008年2月27日水曜日

鈍感力

渡辺淳一

くだらねえ
品格本の裏バージョン

ホームレス中学生

田村裕

文章は下手だけど、逆にその素人っぽさがこの作品のアクセントとなっている。
なるほど泣かせる内容だ。

2008年2月25日月曜日

天璋院篤姫(上)

宮尾登美子


大河ドラマ原作。

歴史小説は司馬に読み慣れてしまったのでエライ読みづらかった。
特に主人公を中心に主観的に語られる文体に馴染めない。
そして篤姫そのものに魅力を感じない。
時代の既得権益を守ろうとする保守的で受動的な優等生であろうとする。
そんな制度に守られているやつなんて官僚と同じじゃないか。

2008年2月24日日曜日

スウィーニートッド

どうしたティムバートン。

いいファンタジー(詩的な)を作る人って、心の奥底に澱がたまってるもんなのか。
詩人だと谷川俊太郎さん。
その澱がこの作品。

働く気持ちに火をつける

齋藤孝。

齋藤孝は馬鹿だけど元気がでました。
同じことを言い換え、繰り返すのは教育者たるゆえか。
文章だとくどく感じてしまうのも事実。
モノマネでしゃべるのネタが増えました。

編集者という病い

見城徹

感動した。
最後の、痛みのないところに前進はない、が心に響きわたる。
俺も仕事に生きるしかない。
まずは仕事をくれ。
いや闘い勝ちとらねば

2008年2月18日月曜日

国家の罠

佐藤優

久しぶりに知的好奇心を煽る本に出会った。
今更、宗男かよ、みたいな気持ちで最初は億劫さもあったが、それは読んでるうちに払拭。
ことの真相を述べていくスリリングな展開、それに対する透徹した分析、そして宗男事件を歴史に組み込むあたり、頭の回転のよさが抜群に漂っている。
著者自身の言葉を借りれば「地アタマがいい」という表現になる。
いかにいままで自分が雰囲気でものを判断、いや決め付けていたかを思い知らされる。
正しい情報を得ずに、週刊誌やワイドショーでの情報ごときに振り回されていた。
だからといってもちろんこの本に述べられていることが全て真実だとは思ってはならないが、どっちが正しいなんて所詮、後世の人間が決めることだ。
そのことを思い知らされる。
確かに歴史を紐解けば、このようなことだらけではないか。
もっと真剣に歴史を学ばなければ。

しかしながら、今までライブドアや村上ファンド事件などの特捜事件にひっかかるものがあったのだが、それがなんだか気づいた。
本の言葉を借りれば「時代にけじめをつけたのだ」
検察といえど、所詮は庶民目線。
大衆受けする解決方法を目指したにすぎない。

(追記)
ただ気になったこと。
作品中、北方領土返還がなぜ日本の国益かということに対して全く言及していない。
ビートたけしは「あんなもんくれてやれ」といっていたが、確かに北方領土が返ってきたところで経済水域が拡張するくらいで、なぜ筆者がそこまで固執したかが見えてこない。
結局、外交というゲームを楽しむためにやっていたのかとも思えてしまうことは確か。

2008年2月13日水曜日

乳と卵

川上未映子。
138回芥川賞受賞作。


生理の描写が男である私には新鮮だった。
ラストはなかなかどうして演劇的。
最初はさっぱり文が入ってこなかった。

2008年2月9日土曜日

鼠穴

立川談志。

この鼠穴こそ談志の真骨頂の気がする。
のっけからバンバン飛ばしていく。
月並みな表現ではあるがノッてる。
腹黒そうな狸おやじがはまりにはまってる。
腹を明かさないしたたかさ。
素直な弟。
何が正しいなんてことはいわない。
ただ描写し、解釈の余地を存分に残す奥深さ。

2008年2月8日金曜日

女性の品格

坂東眞理子。
帯には240万部突破とある。
2006年の「国家の品格」に続き、2007年版「品格」本のベストセラー。

つっこむとこが多すぎて笑ってしまった。
その意味では面白かった。この本は難しい顔して読むべきものではないと思う。優等生が真面目に作文を書いたのを、「そうだねその通りお嬢さん、現実はそうはいかないけどね。でもその気持ちは大切にね。一生懸命書けました。まる」という程度のもの。

本当に品格がある人は品格うんぬんについて語らないと思う。

2008年2月6日水曜日

冬は眠い

今日、早稲田松竹に行った。
三谷幸喜が大好きだというビリー・ワイルダーの映画を観るためだ。
「アパートの鍵貸します」「お熱いのがお好き」の二本立てだ。
両方とも昔観たはずだが、アパートの鍵のほうは内容を失念していた。
一番前の右側に陣取る。
前に青山真治特集を見に来て感動したことを思い出す。
映画が始まった。

寝てしまった。
両方とも冒頭と最後の「the end」だけ起きた。
途中マリリンモンローの声が聞こえてきた。
とてもセクシーだと思った。

2008年2月2日土曜日

どろんこ先生

手塚治虫。
短編三つ。
どろんこ先生は久々にいいキャラだ。人良さそうなのに昔は悪かった感じをさらりと出す。いい先生だ